Sleeping1991

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輪るピングドラム【ネタバレ考察】

 

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「僕は運命って言葉が嫌いだ」

 


輪るピングドラム 番宣CM1

 

輪るピングドラム(まわるぴんぐどらむ)

 

不治の病で死んだ妹・高倉陽毬(ひまり)の命を助けるために
ペンギン帽子(プリンセス・オブ・ザ・クリスタル)に命じられるまま
正体のわからない「ピングドラム」を探す高倉冠葉(かんば)と高倉晶馬(しょうま)。
兄弟たちの運命をかえる物語。

 

 


あの少女革命ウテナの監督幾原邦彦が2011年に手がけたアニメ。

 

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ウテナをご存知の方は知ってのとおり、映像演出が本当におもしろい。
意味深な演出だけでなく細部にもこだわった画面の隅の演出等、
見ていて目に焼き付けたくなる。

 

全体的なストーリーはやや難しいというか考察しがいのあるストーリー。

 

有名なのは「生存戦略、しましょうか」の一言。
劇中でもペンギン帽子(プリンセス・オブ・ザ・クリスタル)を被った陽毬が
生存戦略ぅ!」と叫ぶシーンが最も知られているのではないだろうか。

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その後流れるトリプルHの「ROCK OVER JAPAN」は
ARBというロックバンドのカバー曲。

 

また、キャラクターが可愛い。
キャラ原案は「おとめ妖怪ざくろ」の星野リリィ先生。

 

声優は以下の通り。
木村昴さんの声に合うように配役を決めていったとかオーディオコメンテータリーで
話してた気がします。
メインが木村木村しててわかりにくい。

○高倉冠葉
 
木村 昴
(2005年より「ドラえもん剛田武役)

○高倉晶馬
 
木村良平
(「黒子のバスケ」黄瀬涼太役)


○高倉陽毬
 
荒川美穂
(「ダンガンロンパ2」ソニア・ネヴァーマインド役)


○荻野目苹果
 
三宅麻理恵
(「アイドルマスターシンデレラガールズ」安倍奈々役)


○多蕗桂樹
 
石田彰
 


○時籠ゆり
 
能登麻美子
 


○夏芽真砂子
 
堀江由衣
 


○渡瀬眞悧
 
小泉豊
(「N・H・Kにようこそ!」佐藤達広役)
 

 

以下ネタバレ含む考察。

 

劇中の「95」の文字について

 

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・劇中にでてくる「95」の文字。

・地下鉄で起きた爆発、それによって大勢の人が亡くなった。

これは実際に起きた1995年の地下鉄の事件のことを思わせる。
だからといって実際に起きた事件へのメッセージがあるとか
そういうことはない。
ただ、似ていることによって「劇中の事件=実際に起きた事件」として事件が結び付けられ、
劇中の事件がどれほど悲惨なものなのか印象づけられる。

また、「95」以外にも劇中で宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」等を
モチーフにしたと思われるものがちらほら出てくる。
そもそも冠葉と晶馬と陽毬という名前も「銀河鉄道の夜」登場人物のからきているのでは。
宮沢賢治とピンドラの関連、
これについては私よりも詳しい方がたくさんいて本当に喋ることがないのでここまでにする。

 

高倉家

劇中の地下鉄事件の実行犯は冠葉と晶馬の父親(母親も事件に関わっている)であり、
事件から数年後、実行犯であったことが世間に知られる。
また、子どもたちもそこで初めてその事実を知る。
それをきっかけに父親と母親は失踪、冠葉と晶馬と陽毬は3人だけで暮らすことになる。

また数年後、陽毬に不治の病が見つかり、陽毬は一度死んでしまう。

陽毬の病気は実行犯の子どもへの罰だと言っている。
しかし陽毬は冠葉と晶馬の本当の家族ではない。
そもそも、冠葉と晶馬も本当の家族ではない。
冠葉と晶馬は双子の兄弟で陽毬はその妹ということになっているが、
実際は全員違う両親から生まれている。

実行犯であることを知られるまで一緒に暮らしていたのが晶馬の両親。
陽毬は親に捨てられ、「こどもブロイラー」で透明な存在になるところだったのを
晶馬に救われて家族になる。
冠葉は自分の両親(父親?)の葬式の日に高倉家へ引き取られる。

冠葉の顔と写真の父親がなんとなーく似ているのは、
冠葉と晶馬の父親が一卵性の双子だから(劇中でははっきり述べたか記憶にないけど)。

回想にもでてくるように、実行犯と知られるまでは
どこにでもある普通の5人家族だった。

 

「こどもブロイラー」で透明にされる子どもたち

誰からも必要とされなくなった子どもを透明にしてしまう「こどもブロイラー」。
透明にされてしまった子どもは何者にもなれない。

また、地下鉄での事件は「こどもブロイラー」というシステムを壊すために行ったことらしいが、
事件後に「こどもブロイラー」がでてくることから、成功しているわけではなさそう。

そもそも、地下鉄での事件は単なる暴動なのか、
「こどもブロイラー」のない世界にするための「運命の乗り換え」を行うのに必要なことなのか、
定かではない。

 

「運命の乗り換え」には「ピングドラム」が必要

ピンドラは最終的に運命をかえるための話。
運命の乗り換えのためには「ピングドラム」が必要である。

苹果のもっている日記が「ピングドラム」だ、ということで
その日記を奪うために奔走する冠葉と晶馬。
苹果の日記は姉の桃果(ももか)のもので、
その日記に書いてある呪文を唱える事によって「運命を乗り換える」事が出来る。
その呪文を唱えると、乗り換えた分の罰を受けてしまう。
呪文とは「運命の果実を一緒に食べよう」と言う事。
桃果の「運命の乗り換え」と似通った方法であるが、
晶馬は陽毬に、冠葉は晶馬にこのセリフをいいながらリンゴを与えて
「運命の乗り換え」を行っている。

運命の果実はリンゴのこと。
リンゴは自分の命ということならば、乗り換えのためには命を半分与えるということになる。
桃果の「運命の乗り換え」とは違い、相応の罰を受けるのではなく命を削って運命を変える。
そのことからも桃果は他とは違った存在だと言えるのではないだろうか。
他とは異なった世界が見えている。

そして地下鉄の事件をとめるために呪文を唱えた桃果は、
地下鉄事件の黒幕・眞悧(さねとし)にそれを阻止され、半分しか呪文を唱えられなかった。
乗り換えた罰によって、桃果は死んでしまった(ゆり曰く、この世界にいなくなっただけ)。

地下鉄の事件は黒幕側からしても成功したわけではない。

この黒幕の眞悧と桃果は同じ世界が見えている、つまり同じ人種みたいなもの?。
そしてそのどちらも「ピングドラム」を見たことがないということは
ピングドラム」は眞悧と桃果の世界にはないことになる。

そうなると「ピングドラム」はこちらがわの世界にあるということ。
日記=「ピングドラム」という説は少しだけ違うのではないか。

最終話、
晶馬(幼少期)から陽毬へ、陽毬から冠葉へ「ピングドラム」が渡される。
くどいようだが「ピングドラム」を人の命とするのであれば、
自分を犠牲にして命を与える行為になる、いわば自己犠牲。
自己犠牲といえば宮沢賢治の作品「よだかの星」「グスコーブドリの伝記」を思い出す。
ピンドラ全体が宮沢賢治要素をちりばめている作品なので、自然とそれらを思い出す。
一貫した何かをストーリーに埋め込んでくるイクニチャウダーはほんとにすごい。

 

乗り換えた後の話

「運命の乗り換え」をして元気になった陽毬。
しかし、そこは冠葉と晶馬の姿どころか存在がない世界だった。
もちろん陽毬も二人の事を覚えていない。

ふと、部屋のぬいぐるみの縫い目にメモが挟まっているのに気付いてそれを読むと
「大スキだよ!!お兄ちゃんより」と書かれていた。

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このメモは晶馬が書いたものだと思われる。
何となく冠葉っぽくないから。

好き、については冠葉と晶馬と陽毬は実は三角関係。
冠葉→陽毬→晶馬という形だ。
最終話に近づくにつれ、男女の恋愛を意識してしまうシーンがあり、
三人の気持ちは単なる男女の気持ちだったのかと思ってしまっていた。
しかし、このメモの言葉とメモを見て涙をながす陽毬の姿から
三人の間には家族としての絆があって、
三人はお互いの事を家族として大好きだったんだとわかった。

家族の愛の物語でした。

 

 

 

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輪るピングドラム 上

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